臨床微生物部門

微生物検査とは感染症の原因となる微生物を調べる検査です。微生物には細菌や真菌(カビや酵母)、ウイルスなどがあります。

感染が疑われる部位から採取された様々なもの(糞便、喀痰、尿、血液、膿分泌物など)を検体として培地に培養して感染症や日和見感染の原因となる微生物を特定していきます。

微生物検査では以下のような工程で検査を進めていきます。

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塗抹検査

グラム染色という方法を用いており、検体中の細菌の有無や菌量、菌の大まかな分類も可能となります。グラム陽性菌であれば青紫色に、グラム陰性菌であれば赤色に染色されます。色と形の違いによって大まかな菌の種類を推定することができます。

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分離培養

検体の種類に応じて様々な寒天培地に検体を塗り広げていき、その培地を約35℃の培養装置の中で約20時間培養します。検体中に細菌が存在していた場合には、培地の表面にコロニーと呼ばれる菌の塊が生えてきます。

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同定検査

分離培養で生えてきたコロニーの菌名を調べていきます。人体にもともといる常在菌なのか、感染症を起こしている原因菌なのかも推定します。

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薬剤感受性検査

感染症の原因菌にどの抗菌薬がどの程度効くかを調べる検査です。薬剤耐性菌などはここで見つけることができます。

1 ~4まで完了するまでに3日~7日ほどかかります。菌種によってはもっと時間を要することもあります。

主な活動内容

臨床微生物部門では年数回の研修会を行い、技師のスキルアップに努めています。

また昨今問題となっているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や多剤耐性緑膿菌(MDRP)、多剤耐性アシネトバクター(MDRA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)といった数々の薬剤耐性菌についての情報交換等も行い、検査室での早期発見・臨床への報告ができるよう啓発に取り組んでおります。

また、大分県内すべての施設を対象にした精度管理調査を年1回実施しており、各施設の精度向上に貢献しています。

部門スタッフ

  • 部門長 横山 佳代
    :大分医師会立アルメイダ病院
  • 部門員 後藤 絵莉子
    :大分大学医学部附属病院
  • 部門員 清岡 久弥
    :独立行政法人国立病院機構西別府病院
  • 部門員 渡邉 史
    :臼杵市医師会立コスモス病院
  • 部門員 遠藤 啓
    :大分県立病院