病理検査とは、病気の診断や原因の究明の為に行われる検査のことを指します。病理検査にはおおまかに分けて、組織学的検査、細胞学的検査、病理解剖の3つの検査があります。
組織学的検査や細胞学的検査では、患者さんの臓器(組織)の一部や細胞を採取して、私たち臨床検査技師が顕微鏡標本を作成します。続いてその標本が良性か悪性かを判断し、悪性であればその種類等を顕微鏡レベルで診断していきます。
組織の診断は専門の病理医によってなされますが、細胞の診断は病理医の指示の下、細胞学的検査における専門の資格(細胞検査士)を有する検査技師が携わっています。
病理解剖では亡くなった患者さんのご遺体を死体解剖保存法に基づき、ご遺族の承諾を得て、解剖を行います。死因の究明や治療成績の良し悪し等の判断、医学の発展等に関する重要な検査で、主に病理医と検査技師が従事しています。
近年では、がん患者さんの遺伝子変異にあわせた治療が主流となっており、その遺伝子検査には病理検体が使用されます。遺伝子検査の分野においても、病理検査の活躍が期待されます。
病理細胞部門では、これらの検査に関する更なる知識の習得や検査技術の向上を目指して、日々精進しています。大分県で働くすべての検査技師が同等の検査を提供できるように、これからも活動を行ってまいります。
主な活動内容
病理細胞部門では、「知識や技術向上を目的とした研修会の開催」、「精度管理調査の実施」、「一般の皆様に病理組織検査や細胞診検査を知っていただくための活動」の3つの活動を主に実施しています。
「知識や技術向上を目的とした研修会の開催」では、検体採取から診断に関するより専門的な知識や技術の習得、そして最新の話題の共有を行うことで、日々の業務や日進月歩で変化する医学への理解に役立てています。
また「精度管理調査の実施」では、設問の作成や集計・評価を行います。異なる施設間であっても同様の検査結果(診断)が得られることを目標にし、検査の精度の維持・向上に取り組んでいます。
さらに、「一般の皆様に病理組織検査や細胞診検査を知っていただくための活動」では、毎年11月に実施される「検査と健康展」などのイベントにおいて、病理組織検査や細胞診検査をより身近に感じていただけるように説明を行っています。
部門スタッフ
- 部門長 後藤 裕幸
:大分県立病院 - 部門員 佐藤 啓司
:大分三愛メディカルセンター - 部門員 清岡 征司
:大分大学医学部附属病院病理部 - 部門員 柴田 鮎奈
:大分市医師会立アルメイダ病院 - 部門員 木元 広大
:大分赤十字病院