染色体遺伝子部門

医療分野における染色体遺伝子検査は、病原体や癌細胞、生殖細胞等の遺伝子情報を解析することで、病気の原因を理解し治療や予防に役立てるための検査です。また、遺伝子や染色体の異常を検出し、先天的な疾患や家族性の病気のリスクを評価することにも役立ちます。

最新の技術革新によって、染色体遺伝子検査はより迅速かつ効果的に行われるようになり、その精度も向上しています。これにより、個々の患者に合わせた精密医療(プレシジョン・メディシン)や治療法の提供が可能となり、医療の可能性が拡がっています。

今後は、検査結果に基づいて遺伝的なリスクや影響を説明されて、将来の健康管理や予防策についての意思決定を求められる場面も増えるかもしれません。このような検査を受ける際の個人の選択やプライバシーに対する配慮も、染色体遺伝子検査においては非常に重要です。

染色体遺伝子検査は医療の進歩に向けた重要な一翼を担っており、将来的な医療の向上に寄与することが期待されています。

主な活動内容

近年の遺伝子検査は、感染症・がんゲノム医療・血液関連疾患等の幅広い分野で活躍しています。特に新型コロナウイルスの世界的大流行で、遺伝子検査であるPCR検査は多くの方が知ることになりました。当部門は、このような最新の知識や技術を習得するための研修会やハンズオンの実技実習も開催しております。

また、直接的に遺伝子検査に関連する内容ではなくても、医療に関連する学会発表や論文作成へのハウツーや最近医療分野でも注目されているChat-GPT等の生成AIについても積極的に研修会を開催していく予定です。

さらに、遺伝子検査はPOCT(Point of care testing)化が進んでいます。簡易な機器や試薬を使って迅速に検査結果を報告し、病気の診断と治療につなげる「臨床現場即時検査」のことをPOCTといい、これからは在宅医療や災害医療で活躍すると考えられます。

このような新しい医療の動きをいち早く察知して、知識と技術をブラッシュアップしていきます。

部門スタッフ

  • 部門長 藤島 正幸
    :大分県福祉保健部感染症対策課
  • 部門員 三浦 慎一
    :大分大学医学部附属病院 中央検査部
  • 部門員 渡邉 陽子
    :野口病院
  • 部門員 井上 慎介
    :大分三愛メディカルセンター
  • 部門員 鴛海 美奈
    :九州大学病院別府病院